仕事の効率化を考えたり、もっと上手くなりたいなと思っていた所に、前から気になっていた背景美塾に空きがあるとのツイートを見かける。
背景美塾、夜の部まだ空きがありますよ! 学ぶ事で刺激になりますよ! http://t.co/XFPH9F0ZUO
— アシスタント背景美塾 MAEDAX派 (@haikei_bijuku) 2014, 1月 31
バイトとアシ仕事を考えたら、月はじめの夜の部にしか行く時間はない。
ちょうどアシ仕事も終わったので、講義前日に申し込みをすませ、東京に四日間通ってきました!
たぶん日本で一番有名なアシスタントさんでしょうw
前置きはそんなところで。
四日間、パースについての基礎や、家の見せ方など、細かく教えていただきました。
全部MAEDAX先生が独学で、感覚で身に付けたものだそうです。
すばらしい!
何が素晴らしいって、「どこがおかしくて、どうしたらよく見えるようになるのか」を、わかりやすく教えてくださるのです。
いやー、人にそれを教えられるって、すごいスキルです。
ここから先は、ちょっと個人的な話すぎて、あまり参考にならないかもしれません。
そこんとこよろしく!
私がこの講座で「立方体を描いてください」と言われた時に、必ず
こんなのを描きました。
どへー!!!
これ、もちろん間違っているのですが、どう間違っているのかは背景美塾に行って学んできてくださいww
問題はそこではなく。
私は、この間違っている、そして線が真っ直ぐですらない立方体を、ためらいもせず疑問にも思わず、常に描いたのです。
「その人がその線を引くのには、必ず理由がある。」
MAEDAX先生はおっしゃいました。
どう間違っているのかを、丁寧に優しく教えていただいた時に
「なぜ私は、20年以上絵を描いてきたのに、この立方体を疑問にすら思わなかったのだろう?」
と、愕然としました。
そして、気がつきました。
私は中尊寺ゆつこという漫画家のアシスタントを、16年やっていました。
高校生の頃から他の人の所には行かない、専属でした。
なんのウマが合ったのかわかりませんが、先生はたいそうかわいがってくださり
「ずっと一緒にマンガを描いていこうね!」
そう言ってくださいました。
その終わりは突然に、先生の死によって、訪れました。
あれから9年。
その他にも様々なことがあり、私はあまりに多くの物を失いすぎて、何もする気が起きない日々が続きました。
もう私には何も残っていない。
ぼんやり空っぽの手を見つめる日々。
絵を描きたいとも思わない。
いっそ全く違う職につこうか。
でも友人たちが一生懸命声をかけてくれ、少しずつ絵の仕事をいただけるようになりました。
それなら中途半端な考えはやめて、絵の仕事を本気になって続けてみようかなと思い始めた時の、背景美塾でした。
「その人がその線を引くのには、必ず理由がある。」
私がなぜ、歪んだ立方体を、すらすら描いたのか。
それは、中尊寺先生の絵が、歪んでいたから。
それに合わせて、ちょうどいいように、16年間ずっと描いていたから。
その背景を先生が、いつも、褒めてくれていたから。
それが、本当に楽しくて、嬉しかったから。
先生のあの歪んだ絵が、とてもとても、好きだったから。
先生が、大好きだったから。
ああ。
あれから9年も経つのに、先生との日々が、この手の中にある。
私が疑問に思わなかった、あの歪んだ立方体の中に、先生がいる。
空っぽだと思っていた私の手には、ちゃんと残っている物がある。
それに気付いて、背景美塾の帰りの電車の中、一人ボロボロ泣いていました。
私は、絵を描きたい。
もっとうまくなりたい。
そうしたら、きっと、先生も喜んでくれる。
一人では辿り着けない、もしくは辿り着くのにとても時間がかかる所に、すっと答えを出してくれる。
背景美塾はそんな所です。
って、ここで終わると超いい話なんですけど、よーく考えたら
歪んだ立方体を迷わず描いちゃうアシスタントなんて、需要ある訳ないじゃんよー!!
orz
や、やべえ、これ本気で死ぬ気で練習しないと、まずいwwww